南ゴビ旅行記

7月18日~25日 青柳さん

南ゴビ旅行記

モンゴルを訪れる観光客の8割がゴビを訪れているというデータがあります。。

7月18日(土) 南ゴビの砂漠にロマン感じて    

11年目のツアーは2015年(平成27年)7月18日~25日、初夏のモンゴル。       

今回も乗馬がメインだが、トゥルのプレゼン企画として南ゴビを訪ねることになった。       

南ゴビはウランバートルから南に約600㎞、モンゴル21県のうち最も南の県だ。トゥルは、南ゴビの隣りの県(ドンドゴビ県)のウルジートという所で生まれた。カエルちゃんは同じ県のバガガズリンチョロー。出生地は二人の雰囲気を醸しだし思わず吹き出してしまう。とくにカエルちゃんのバガガ・・なんて雰囲気そのそのまんま。(失礼)二人ともモンゴル南部の出身なので、その風土、気質をよく知っている。トゥルは「景色が他と違う。南ゴビの人たちはモンゴルで一番人柄がいい」と話す。1973年というから今から42年前、作家・司馬遼太郎は南ゴビを訪れ、「ツェベクマ さんと   南ゴビの草原で過ごしたときほど、快適な数日はなかった」と記している。このツェベクマさんが後にツーリストキャンプをつくり、多くの日本人が司馬のモン ゴルを 追体験しようとツーリズムに参加するようになったという。しかし、その多くは司馬のいうモンゴル人と出会うことなく絶望して帰国しているとも。ゴビといえば砂漠をイメージ、砂漠といえば日本人にはそこはかとなくロマンを感じ る。イメージするのは、地平線に沈む大きな真っ赤な太陽に、ラクダの隊商がシルエット なって進むシルクロード。「『月の砂漠』『アラビアのロレンス』『シルクロード』という名曲、名画が日本人 の砂漠の  イメージを具体的にきわだたせた。シルクロードは砂漠をゆくラクダの隊商に・・喜  太郎の  名曲をオーバーラップさせ、多くの日本人が砂漠に胸をふるわせた」と作家・椎名誠氏。勝手にゴビ砂漠のイメージを想像していると、成田空港に着く時間となった。     

ビとは、広大な平原、むき出しの岩山、古代の海底のような土塊(砂質の粘土土が固まったところは「ツァヴ」と言う)、砂丘やオアシスがあり、世界的にも珍しい動植物が生息する独特の自然生態系です。

7月18日(土) モンゴルに出発       

今年の参加は8人。男性4人、女性4人。20代から60代まで多彩なメンバーだ。団長のホリさん、副団長トミイちゃん、われわれ夫婦、ヒサヨさんの4人は昨年と変  わらない。初参加は、兵庫県淡路島の井戸貞夫さん(イドさん)、明石市の近森知司さん(モリさん)。そして、長野県佐久市から土屋サラさん(サラちん)。7月18日(土)12時30分、いつもの成田空港南ウイングHカウンター前で待ち合わせ。ホリさん、トミイちゃんはいち早く空港に着いてメンバーを出迎えてくれる。ヒサヨさんが合流。実はヒサヨさん、控えめな人柄からは想像できないアクティブ派今年2月、厳寒のモンゴルを一人訪ね、仲良しになったタミルの家族とモンゴルの旧正月を  過ごしている。モンゴルは真冬になると-40℃。とても厳しい。モンゴル同好会でも誰も訪ねたことがない。「どうでした?」「けっこう快適でした」。話が弾む。初参加のサラちゃんは乗馬用クッションを背負い、乗馬靴の姿。必要最小限の荷物。さすが旅慣れてるね! 18歳でイギリス留学、その後、お坊さんになり、アメリカの寺院で修業したサラちゃん。クリクリ坊主頭がよく似合ったとか。今回ゴビも楽しみにしているという。関西空港からのイドさん、モリさんも駆けつける。台風の影響で飛行機の遅れが心配された  が、そこは強運な二人、台風をはねのけて見事、間に合った。  イドさんは、長野県佐久市のスエトシ牧場に馬をもっていて毎月のように淡路島から 長野県  を訪れる馬好き。もちろん乗馬は上手い。でも体力がちょっと心配かな!?  モリさんは、イドさんの乗馬仲間。モンゴルは初めてだが、「思いっきり馬に乗りた  い」という  夢を募らせての参加。好奇心旺盛で、気遣いの人でもある 8人が揃った。搭乗手続きを済ませて空港内で昼食。今年はお寿司屋さん。乾杯して気持ちよくなったところで14時40分、モンゴル航空ミアットでいざ、出発。7月18日(土) ウランバートルに到着  成田から5時間余、午後8時過ぎにチンギスハーン国際空港に着く。7月のモンゴルは一番いい季節。ましてゴビまで行ける。気持ちが高まる。トゥルが出迎えにきてくれる。シャイな笑顔が変わらない。「サェン バェ ノー(こんにちは)」 「お世話になります」。口々に挨拶を交わす。いつもなら、空港から車で大草原のツ―リストキャンプに直行、翌日から乗馬となるけど、今年は南ゴビにいくため、ウランバートル市内のホテルで泊まる。ウランバートルは急速な近代化と人口増加が続くモンゴルの首都。車の普及も進み、日本車が人気。とくにトヨタ・プリウスが大人気でよく走っている急激な人口集中に街づくりやインフラ整備が追いつかず、いたるところで工事中のた め、車は未舗装の道路を右に左に迂回しながら目的地に進む。その揺れは激しい。旅の疲れが加わるとたちまち車に酔ってしまう。モンゴル旅行はこうした過酷さがつきもの。観光だけの旅では「しんどい」「二度と行かない」と言う人の声も聞く。でも、目的があれば別世界。とくに乗馬好きには天国だ。どこまでも続く大草原を、1日6時間も馬で疾走したり、のんびりと馬の背に揺られたり。大地を感じ、風を感じ、草花の匂いを嗅ぐ。 時には弁当持ちで、馬で遠出。こんな生活を4、5日続けると、元気になる。今回は、乗馬の日数が少ない。ホリさん、トミイちゃんはちょっと物足りなそう!?

7月19日(日)ウランバートルから南ゴビ空港に  早朝5時に起床、身支度を整えチンギスハーン空港へ。午前8時にはモンゴルの国内線、エアロ・モンゴリア航空MO751便に乗る。南ゴビまで1時間半。50人乗りプロペラ機だが、案外揺れは少ない。午前10時ゴルバン・サイハン空港に着く。南ゴビの平原に、1本だけの滑走路を延ばして ポツンとたたずむ空港だ。ゴルバン・サイハンは南ゴビの有名な山脈。空港はその名を冠して南ゴビツアーのた  めに  造られた。建物は簡素な造り、空港というより飛行場という雰囲気でのんびりしている。周りに高い建物はなく、高い山もない。空が広い。圧迫感とか緊張感のないのがいい空港内の荷物レーンもなかなか回らない。これはちょっと困る。出口の広場に簡素な花壇、そこにラクダのモニュメント。このラクダもゆるい。「砂漠とラクダの国にようこそ」などと張り切っていない。妙に太腿が人間ッポイ。車がなかなかこない。ホリさんがハーモニカを取り出して吹きだした。それに合わせて、ヤヨイさんがステップを踏み、踊っている。その情景が、コビの風景が馴染み、似合っている。「いい雰囲気だね」とカメラにば  ちリ。       

「決闘する恐竜」の化石で世界に知られるトグロッグシレー

7月19日~21日 コビ砂漠を横断する       

空港におりてすぐに気づくが、ゴビ砂漠はイメージしたような砂漠ではなかった。 草1本生えていない砂地帯ではなく、草がまばらに生えている草原だ。トゥルは「ゴビとはモンゴル語でまばらな短い草が生えている土地という意味です」と  説明してくれたが、そのとおりだった。司馬遼太郎は「半砂漠」という表現をしている。『 天は蒼蒼 野は茫々 風吹き草低く牛羊を見る 』「この六世紀の詩句をもって南ゴビの説明は尽きている。天が蒼蒼であることもこん にち   替わることがなく、野が茫々であるのも、見たとおりである。はるかに地平線に牛羊  を見る  というあたりに、遊牧民族の幸福が言いあらわされている」(草原の記)南ゴビは標高1200~1600mという高原にあり、まばらに生えているというその草は高山  植物(ハーブ)のようだ。なかでも「エグ」というハーブは、ネギかニラに似たハーブで、背丈5~6㎝、レンゲ の花に   似た薄いピンクか薄紫の花を咲かせる。嗅ぐといい香りがする。 太いのはコワくてだめだが、細い茎はみずみずしくて噛むと甘辛く、ネギの味がする。このエグは、羊の大好物。羊が体力をつける滋養の源となっている。早速、食べてみたヤヨイさんは「確かに甘辛い。香りがいい」と納得顔で話す。トゥルは「これがコビのにおい。ゴビはハーブのにおいです」と珍しく自慢気だ。 このハーブを食べている南ゴビの羊肉は、あの独特な臭みもなく、美味だという。 確かに羊肉を普段、敬遠するわれわれの仲間も南ゴビでは羊肉を食べることができた。 ハーブが美味しい肉を作っていたのか。南ゴビの見所3カ所  南ゴビの名所は、①ホンゴル砂丘かモルツォグ砂丘(空港から50㎞北)、②世界で初め   て  恐竜の卵の化石が見つかったバヤンザク、③初夏でもまだ雪渓が残る「鷲の谷」ヨリーン  アム渓谷。 われわれは南ゴビのツーリストキャンプに泊まりながら3日間、この3カ所を訪ねた最初は空港から西へ約70㎞、ゴルバン・サイハン山脈の標高2,200mヨリーンアム渓谷ヨリーンアムはモンゴル語で「鷲の谷」という意味。運が良ければその姿が見られる との  ことだが、大鷲はそうたやすく姿を見せてくれなかった。 姿を見せてくれたのはナキウサギ。     手の平に乗るほど小柄で、足跡で穴から出てきて、後ろ足でピョンピョンと跳ねる。ときどき止まっては振り向いてこちらをじっと見る。小さくて、すばしっこくて、仕草が   かわいい。なかなかつかまらないが、捕まえて手の平に乗せるとリスのようだ。 渓谷は終着点まで片道30~40分。標高2,200mなので初夏でも雪渓をみることができた。乗馬が待ち遠しくてウズウズしていたホリさんは、帰りは馬。体が軽くて割合い元気な自分。「これなら2㎞位走れるな」とジョキング開始。    

恐竜の卵を見つかった。。。(笑う)

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