遊牧民はなぜ移動するの?

ナムハイ トゥルトグトフ

遊牧民はなぜ移動するの?

遊牧民は季節ごとに草原を移動しながら家畜を放牧するのはなぜでしょうか。

第一の理由は、牧草地を追いかけて草の豊富な場所に移動するためです。食べつくされた牧草地を回復させる必要もあります。家畜の頭数が多ければ、十分に食べるためにさらに遠くまで移動することになります。

第二の理由は、中央アジアの遊牧環境の特徴が極端だからです。一日の昼夜の気温差は20度、夏と冬の気温差は100度にもなります。標高差もあり、植生、植物の多様性、湿度、風向きなどに極端な自然環境を生み、それを補うために移動するのです。冬は標高の高い暖かい場所、夏は標高の低い涼しい場所に移動します。

第三の理由は、遊牧民に飼われている五種類の家畜が、それぞれ異なる草を好むことです。年と季節と気候により、それらの草の成長は異なります。秋にしか育たない草、五年に一度しか育たない草など、貴重な植物を機会を逃さずにそれぞれの家畜に十分食べさせるために移動します。

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そして遊牧民の独自性は自由な気質にあります。広い草原の厳しい自然環境の中で家畜の世話をして暮らすことで、秩序に従うことを好まず、自分自身を重んじ、時間に束縛されない生活様式が生まれます。自然と向き合い、様々な可能性を求めて移動しながら、新しい結果を生み出すために常に変化しています。

遊牧と定住のもう一つの大きな違いは、馬に関する文化です。馬を持たない遊牧民を想像することは不可能です。中央アジアの遊牧民ほど馬を自在に操る民族はいないと言われています。馬は遊牧民の生活全てに必要であり、家族であり、軍用としても重要でした。中国人が騎馬民族から土地を守るために何万キロも築いた長城は、人ではなく、馬に対して作った壁だったのです。

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