空間感覚と時間

ナムハイ トゥルトグトフ

空間感覚と時間

モンゴル人は何百キロメートルも移動することを普通のことと考えていて、遠距離の移動で起こるトラブルを予測しています。しかし、旅行者の場合は見方が違うこともあり、旅程で発生するトラブルについて、正しく理解してもらわなければなりません。この誤解は通訳によるエラーではなく、旅行者のもつ空間感覚の違いによるものです。

比較的国土の狭い国から来た旅行者には、モンゴルの空間感覚の違いがわかるでしょう。例えば、日本の東京から静岡まで180キロメートルの距離を新幹線なら1時間ほどで移動します。モンゴルの舗装道路では3時間で移動することができます。ヘンティ県の手つかずの自然の中で、舗装道路ではなく、小川や泉の多い地域を抜ける180キロメートルの道だと、朝出発して1日かけて到着できればいいと、ドライバーは計算するでしょう。このように、モンゴルの草原で移動にかかる時間を正確に設定することは、ほとんどできません。

旅行者が車での移動時間を尋ねると、モンゴル人は「大体の時間」を答えることがあります。旅行者はリスクを計算し、前もって時間を予測できないことを受け入れつつも、神経質になる場合があります。しかし、「大体の時間」でも案外正しく、実際の時間と大きくずれることはありません。
予定した時間に到着しない場合には、いろいろな理由があります。いくつか例をあげると、進行方向からの強い向かい風に対して進まなければならない、夏の暑さで車のモーターが熱を持つ、風の抵抗が大きく燃費が悪くなる、などがあります。舗装されていない地域では、雨がふって道路が冠水したり、橋が壊れたりして、通行できなくなる場合もあります。道路の状況によっては、タイヤのパンク、車の故障などはよく起きるトラブルです。車が草原で故障したら、ドライバーが修理する責任があり、修理できなければ何日も遅れる場合があります。

 

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