ナムハイ トゥルトグトフ

草原の食べ物

チンギスハーンは数十万の兵士が短時間で食事ができる驚くべき手段を持っていました。軍の前線を行く炊事班は、川や湖のほとりに到着すると大きな火をおこし、その中に小さな石をたくさん入れて赤く焼きます。食事の準備はこれだけです。なぜなら、その後に来るたくさんの兵士は携帯している器に川から水を汲み、そこへ焼けた石を入れて湯を沸かし、中にボグツで運んでいるボルツを入れて食べていたのです。

美味しい食事は旅行者の印象に残ります。遠い所へ行く人が、その地方独自の料理を食べてみたいと思うのは当然です。しかし、草原(電気も機械もない自然の中)を旅する時に準備できる食事は、都会で出されるものとは違うことを理解しなければなりません。特に地方独自の草原を旅する時は、モンゴルの強い日差しが食べ物を簡単に腐らせるので細菌が増える可能性があり、生鮮食品はできるだけ避けなければなりません。草原では、輸送方法、保存方法が悪ければ、魚、鶏肉、卵、きのこなどの食品を使うことはできません。一番ふさわしい食べ物は遊牧民の伝統食、ボルツ、ショーズ、乾燥させた乳製品などです。野生のタマネギなどの野菜、木の実、新鮮な果物を収穫して使い、また遊牧民から新鮮な肉、乳、乳製品を買って食材にすることができます。

[ショーズ]
ショーズは暖かい季節に肉を保存するために伝統的な方法で作ります。肉を小さく切って水分がなくなるまで炒めて塩をふり、木の器に隙間なくしっかりと詰め込みます。ショーズは野外の涼しい場所で一カ月保存できます。

 
[ボルツ]
自然の方法で、肉に含まれる栄養素、ミネラルを失わずに水分を蒸発させ、乾燥させた肉をボルツといいます。ボルツは十ニ月の冬の強い寒さであらかじめ凍らせ、春の日光と風を利用して乾燥させる、モンゴルの厳しい天候の特性を利用して作られる素晴らしい食べ物です。一頭の牛の肉を粉末にして作ったボルツは、その心臓の中に収まるとモンゴル人が言うほど、軽くて少ない量になるので、輸送も簡単で、栄養価においても新鮮な肉と変わらず、1〜3年も保存することができる自然食品です。

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