著者から
私は学生の時、長野県のノ―サイドでアルバイトをしていました。ノ―サイドはモンゴルの様式で乗馬をさせて、モンゴルの馬の文化を日本に紹介している日本で唯一の場所でした。そこで5年間仕事をしている間に、馬に興味があり、モンゴルが好きなたくさんの友人ができ、そのうちに夏のモンゴルに来て馬に乗るようになりました。友人たちが来ると、私はモンゴルで乗馬旅行の計画を立て、ガイドをしていました。14年間毎年来る友人もいます。そして思いついたのが、日本で仕事をし、モンゴルでガイドをしたノウハウに基づいて、“モンゴル馬との出会い”という旅行者向けのガイドブックを書こうということでした。たくさんの旅行者がモンゴルに馬に乗りに来るのですが、旅行者向けの乗馬のガイドブックはないのです。この本では、経験豊かな遊牧民の知識、私が乗った経験、モンゴル馬についての研究などをわかりやすいイラストとともに紹介しました。何千年に及ぶ、馬と暮らした人々の文化の中に伝えられたものは、たいへん貴重でわかりやすいものです。
この本から、モンゴル馬の特質、性格、馬具、馬との関係、乗馬のテクニック、危険のない仕事、モンゴル馬を利用する文化について、わずかでも知るようになるでしょう。
モンゴルにきた旅行者が、モンゴル馬について知識不足で、馬に関する経験も少なく、適切なアドバイスをできるガイドも少ないことから、乗馬を心ゆくまで楽しむことができず、また怪我をすることも少なからずあります。しかし、この本が、モンゴルでの旅行に少しでも役立ち、馬との旅によいガイドとなることを期待しています。最後にこの本を書くために助言をくれた弟のバットトゥル、イラストを描いた兄のアガ―、翻訳をしたコウヤマさんに感謝を捧げます。
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